丸太材の重みや乾燥収縮により、水平に積んだ各段が沈下を起こし、壁の高さが低くなる現象です。通常は築5〜6年経つと収まるようですが、落ち着くまでの期間やどの程度の沈下が起こるかは、ログ材の種類や建物規模、使用環境によってもだいぶ違ってきます。大まかな目安としては、マシンカットのログ材よりもハンドカットのログ材の方が、大きなセトリングが起こりやすいともいわれています。
もっとも、そもそもログハウス建築においてはこのセトリングを想定し、階段や開口部(窓・扉)などに不都合が生じることのないよう対策を施しています。住み手としては、ごく普通に起こる現象であることを理解しつつ、それが落ち着くまで進行状況に注意深く目を向けることが大事なのです。
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セトリングが進行すると、ログ壁を締め付けるために設けられた「通しボルト」に緩みが生じるので、定期的にナットを締める必要があります。セトリングは完成して数カ月は大きく進行しますが、それ以降は緩やかになりますから、1年目はまめに様子を見ながら通しボルトを締め直すとして、落ち着いてくれば年に1回程度の作業で済むようになります。
またセトリングで特に気を付けなければならないのは、ログ材の収縮が一様ではなく、ログ壁の沈下が常に均等に起こるとは限らないことです。あらかじめ対策を講じていても、窓や扉が開閉しづらくなったりするケースは往々にして起こるので、そういった現象に気づいたら早めに施工業者に連絡をしましょう。 |
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